太郎山
日付 2009年4月19日(日)
山域 日光周辺
メンバー 単独
山行形態 前夜泊日帰り
アクセス 電車、バス
ルート (Map) 三本松→志津乗越→太郎山→三王峠→光徳入口


昨日石裂山に登ったあと、せっかく栃木まで来たので
一人付近に一泊して日光の太郎山に登ることにする。
どちらにしても前泊でしか登れない山なのでちょうど都合が良い。

早朝に日光駅に到着。鳴虫山に登ったとき以来の日光だ。
今日も女峰山がきれいに見える。

中禅寺湖方面に入る始発のバスに乗る。
車窓からはこれから登る太郎山がきれいに見えている。

7:08 三本松バス停到着。標高1395m。
こんなに早い時間から登り始められるのは久しぶりだ。

三本松バス停は戦場ヶ原のすぐ隣にある。
せっかくなので寄って行くことにする。

早朝の戦場ヶ原。日光には何度か来たが、ここまで奥に入ったのはこれが初めてだ。

道路を挟んだ向かい側には三本松と呼ばれる場所がある。
付近はカラマツの植林ばかりで、三本松の名の由来はわからない。

入口に熊出没注意と書かれている小道に入っていく。

付近はシラカバなどがあって、非常に美しい風景が広がっている。

途中で舗装された車道と合流し、ここからは車道を歩いていく。
付近は植林されたカラマツ林が続く。ここから登山道入口までが長い。
通る車は全く無い。

鹿監視用のカメラが設置されている。左にある網は鹿を通れなくするためのものらしい。
これがあると鹿は嫌がってここを通らないと、側の解説板に書かれていた。

車道は途中から雪に覆われる。通る車が全く無いわけだ。

目の前に太郎山が現れる。少々小振りだが男体山に負けない立派な円錐形の姿だ。
心配していた雪はほとんど無いように見える。登頂を確信する。

1時間半ほど歩いて、ようやく太郎山登山道入口に到着する。

付近は短い笹が広がっていて良い雰囲気の場所だ。
鹿が大急ぎで逃げていく。

巨大なこぶを持った木。

歩き始めてすぐに、登山道が雪に覆われてしまう。

雪は予想に反して非常に柔らかく、簡単に膝上まで潜ってしまい歩きにくい。

あちこちに雪面が盛り上がっているところがある。これは動物の足跡だ。
雪が深い頃に動物に踏み固められた部分が解けずに残って、
逆に盛り上がってしまう。

木が少ないところは雪も少ないのだが、基本的に登山道は雪に覆われている。
雪はどんどん深くなり、腰まで潜ることもある。さすがに撤退を考え出す。

途中で雪を避けるため、ガレ場を登っていくことにする。
登山ルートではなく浮石が多いため落石が危険だが、
雪がないので非常に快適に歩ける。

下を見る。傾斜はそこそこあるが、歩くのはそれほど困難ではない。

展望のよいガレ場からは背後に日光男体山の端整な姿が望める。

太郎山の火口原に到着。一面の雪原だ。
ここまで来たらもう山頂をめざすしかない。

雪に埋まった標識に「お花畑」と書かれている。
山と高原地図によると、ここに花はほとんど咲かないらしいが…

12:32 太郎山山頂到着。標高2367m。
コースタイムより1時間以上余計にかかってしまった。
何とか山頂に立てたが、今回は初めて撤退を考えた山行だった。

登山道にはあれだけ雪があったのに、山頂にはほとんど雪がない。

山頂からは大展望が広がる。まず目に付くのが、左から
女峰山、小真名子山、大真名子山の三山だ。
この三山の縦走は去年計画を立てたが雨で流れてしまった。

関東最高峰の日光白根山はまだ深い雪に覆われたままだ。

北方には尾瀬の燧ヶ岳や会津駒ヶ岳が望める。
天気は快晴だが少々霞んでいるのが残念だ。

男体山は雲に隠れ始めている。
日光巨峰郡では男体山がお父さん、女峰山がお母さん、
太郎山、大真名子山、小真名子山が子供という位置付けらしい。

時間も押しているので山頂を辞し、雪の稜線を歩いて行く。
来た道を戻るのか、計画どおりの道を下山するのか迷ったが、
来た道はかなり悲惨だったので計画どおりの道を下山することにする。

眼下には火口原が見下ろせる。自分のつけた足跡がここからでも見える。

この辺りは雪が吹き溜まりとなっている場所が多く、高いところでは3m位の雪がある。

剣ヶ峰に到着。太郎山から少し歩いたところにある小ピーク。

辺りは急傾斜の崖に囲まれている。

少し先の小太郎山山頂に到着。
ここで山と高原地図を太郎山山頂に置き忘れてきたことに気付く。
ここからだと往復1時間くらいで、あの雪の中を歩いて取りに戻る気にもなれず、
残念ながらあきらめることにする。下山は地形図があるので問題は無い。

眼下に戦場ヶ原が見える。今からあそこまで下らなければならない。

下山道も雪に覆われている。シリセードで楽に滑り降りられるかと淡い期待を抱いていたが、
滑ると尻が雪に埋もれてしまう。手のつけられない雪だ。

ハガタテ薙に下る下山道との分岐点に到着。
危険なのでここは以前から通行止めになっている。
分かってはいた事だが少しがっかりする。

ハガタテ薙を下れない以上、目の前の山王帽子山を登り返さない限りは下山できない。

山王帽子山との鞍部に到着する。この辺りは平地が広がっていて景色が良い。

振り返ると太郎山が高く聳えている。

一登りで山王帽子山到着。標高2077m。
この辺りまで来ると人の足跡がいくつか見られる。
山頂付近では見られなかったため、途中で撤退したのかもしれない。

だいぶ雪は少なくなっているが、雪に覆われているためルートが見えにくい。
ドーム型の火山で尾根も沢も無いため、地形の判別も非常につけにくい。
足跡はあちこちに錯綜していて、前任者も迷っているらしい。

下山近くになると雪もほとんどなくなり、笹薮が現れる。
登山道を分かりにくくしている一因はこの笹で、
笹が雪にかくれてしまうと、樹林帯と違ってどこでも道に見えてしまう。

16:03 山王峠到着。
車道に下り立ち、ようやく雪から解放される。

ここから切込湖、刈込湖を経由して湯元に出る予定だったが、
下山でも相当時間をロスしてしまったため、直接光徳牧場に出る道を行く事にする。

光徳牧場に出る道もまた雪に覆われていてうんざりする。
雪はなくても激しく蛇行する車道よりはましだろうと思い、
光徳牧場への遊歩道に入っていく。

雪はあることはあるが、量は少なく問題なく歩ける。

辺りはダケカンバ林に覆われている。
解説板によるとダケカンバはシラカンバ(白樺)よりも少し標高の高いところに生えるそうだ。

光徳牧場に到着。放牧されている動物は全くいない。

17:20 光徳入口バス停到着。標高1400m。
相当に体力を消耗した一日だった。


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