十枚山
日付 2009年4月10日(金) - 2009年4月11日(土)
山域 駿河
メンバー 単独
山行形態 1泊2日テント泊
アクセス 電車、バス
ルート (Map)
1日目:梅ヶ島温泉→安倍峠→ワサビ沢ノ頭→大光山→十枚山
2日目:十枚山→仏谷山→青笹山→真富士山→引落峠→俵沢
1日目】【2日目】

2日目
5時起床。夜は鹿の鳴き声で何度か目が覚めた。
5時半頃に日の出を迎える。富士山の右側から太陽が出てくる。

太陽が出てくると、黒かった辺りの山々が赤くなってくる。
左に見える山は昨年の秋に登った大無間山だ。

安倍奥や南ア深南部の山々がどこまでも続いている。
静岡県は、目立つ山は少ないが良い山がたくさんある。

これから歩く縦走路を望む。どこまでもどこまでも山が折り重なって続いている。
目的地の真富士山がどこにあるのかは全く分からない。

6時半に十枚山を出発する。
もうすっかり明るくなっているので、もっと早くに出発したかった。
テント泊は準備に何かと時間がかかる。

少しだけ雪が残っているところがある。凍りついているので非常に危険だが、
ここだけのためにアイゼンを出す気にもならない。慎重に通過する。

振り返ると南アルプスの白い峰々がくっきりと見える。
もう4月なのに山頂部はまだ真白だ。

右手に見える山は聖岳。左は上河内岳。

左は赤石岳、右は荒川岳。どちらも南アルプスの主峰だ。
遠くの方には鋭角の北岳まで望むことができた。

7:06 下十枚山山頂到着。標高1732m。
別名天津山。展望のない山だが、安倍奥東山稜の最高峰だ。

わずかな切り開きから富士山を望むことができる。
もうすでに霞みの中に消えようとしている。

縦走路はどこまでも続く。この尾根の素晴らしいところは
植林地帯がほとんどないことと、安倍峠から全く車道と交差しないところだ。

この縦走路の数少ない岩場を通過する。

登山道脇に檜の大木が立っている。
他の木が絡まって少し不気味な姿だ。

周囲は高い木が無くなってきて一面が笹に覆われている。
展望が非常に良いが、かなり日焼けする。

地蔵峠に到着する。ここも素朴な峠だ。

地蔵峠の名の通り、地蔵が祀られている。

地蔵峠から一登りで仏谷山に到着する。
この付近はカラマツ林が見られる。おそらく植林されたものだろう。

仏谷山から先に青笹山が見える。
名前の通り一面笹に覆われている。

笹に覆われた気持ちの良い道が続く。
振り返ると南アルプスがきれいだ。

左手には常に富士山が見えている。

山頂部の笹がきれいに刈り払われている青笹山山頂が見えてきた。

9:17 青笹山山頂到着。標高1558m。
360度の展望が広がる明るく開けた山だ。

ここから先、当分目立ったピークはないので、ここで早めの昼食をとる。

青笹山から先の道は刈払いが行われておらず、笹に覆われている。
昨日出会った女性が言っていたのはここのことだろう。
2時間くらい笹と格闘したと言っていたので、笹薮は相当長そうだ。
もっとも下りなので、登りの藪漕ぎに比べると相当に楽なはずだ。

一面笹に覆われた道に突入する。上から見るとただの笹薮だが、
足元は道ができているので、足で探りながらどんどん進む。
笹は背丈より高い部分もあるが、大体は首より下。
こういう道を歩くときは背の高さも重要なファクターだ。

青笹山山頂を振り返る。見事に一面笹に覆われている。

笹に覆われた道はそれなりに続くが、笹が薄いところもある。

送電線鉄塔を発見。ほっと一息。
鉄塔のあるところに道ありだ。

思った通り、ここからは見違えるような道が続いている。
結局藪漕ぎは30分程度だった。

付近の笹はなくなり、柔らかい土の道になる。
歩く人が少ないのであまり踏み固められていないのだろう。
さっきまであれほど笹が生い茂っていたのに、ここに来ると全く無くなるのは不思議だ。

湯ノ岳に到着。地図には載っていないピークだが、私製標識がつけられている。

目の前に第二真富士山が姿を現す。
安倍奥東山稜は十枚山以外目立ったピークがないと思っていたが、
真富士山もなかなか立派な山だ。

真富士山への道を登っていく。だんだんと登山道も踏み跡が明確になってくる。

人の声が聞こえてくると、程なく第二真富士山に到着。
この山頂には何名かのハイカーが休んでいた。

すぐお隣の第一真富士山まで行く。この辺りは多くの日帰り登山者が歩いている。
田舎から一気に都会に出てきた気分だ。

登山道脇にはイワカガミの葉が広がっている。
季節が早すぎるのでまだ花は咲いていない。

12:39 第一真富士山山頂到着。標高1343m。
登山道はそこそこ賑わっていたのに山頂は無人だ。
午後になってしまい、富士山はほとんど見えなくなってしまった。

開けた山頂からは東面の展望が広がる。
駿河の低い山々が望めるが、霞んでいて遠くの海までは見えない。

山頂付近はアセビの木に囲まれている。

白い花をたくさん咲かせている。
アセビは漢字で馬酔木と書き、葉には毒がある。

真富士山から下山に選んだ道も踏み跡は薄い。
バイケイソウが足の踏み場もないくらいに生えている。

下山道は尾根道と巻き道の2本が並行して走っている。
途中で巻き道に乗り換えると少し登山道がしっかりしている。
あとは道に沿って下るのみだ。

歩いていると、丸いお尻の大型動物が大急ぎで逃げていく。
熊かと思ったらカモシカだった。山で始めてカモシカと出会えた。
距離を保ってこちらをじっと見ていたが、こちらが動き出すとカモシカもどこかへ消えてしまった。
ちなみにカモシカは鹿とは全く異なり、ウシ科の動物だ。

水場に到着。安倍峠旧歩道以来の久々の水場だ。

水場の近くには大滝と呼ばれる滝がある。
高さはそこそこあるが水がほとんど流れてないので、写真撮影には不適な滝だ。

標高を下げていくと植林地帯が広がってくる。
やはり標高の低いところは杉檜だ。

下のほうは新緑が広がっている。稜線はまだ冬の景色だったが、
この辺りはだいぶ春らしい景色になっている。

真富士山登山道入口に到着する。辺りは茶畑が広がっている。

下山地点は俵峰の集落。たくさん家が建っていて完全に下界の風景だが、
ここはなかなかの山上集落。ここからさらに1時間程度車道を下る必要がある。

大きく蛇行する車道をゆっくりと歩いていく。
もう9時間近く歩いているので、さすがに足が重い。

沢のほとりではワサビがつくられている。

どこまでも広がるお茶畑、その中を車道は蛇行しながら下っていく。

15:53 俵沢バス停到着。標高135m。
2日間ともよく晴れ、よく歩き、充実した山行だった。

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