スペイン
日付 2008年9月27日(土) - 2008年10月5日(日)
メンバー 単独
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3日目
今日は朝からトレドに向かうため、早朝アトーチャ駅に向かう。
駅は宿から15分ほど歩いたところにある。

アトーチャ駅構内はまるで植物園のようになっている。
外国にあるターミナルは屋根が丸いパウンドケーキ型に
なっていることが多いが何故なのだろう?

電光掲示板には各地に向かう列車の案内がずらりと並んでいる。
高速列車は荷物のX線検査があり、ホーム(列車)ごとに改札があり、
まるで航空機に乗るような手順だ。

列車内部の様子。座席は2+2なので、車両の幅は新幹線よりも狭い。
速度は非常に速く静かだが、左右に結構揺れる。

マドリードから10分も走るとこのような景色が広がる。

30分ほどでトレド駅に到着。
この町はマドリードからの日帰り観光地として賑わっている。

駅から外に出ると、のどかな風景が広がっている。
駅と町の中心地は少し離れていて、バスでも行けるが歩いていくことにする。
タイでもそうだったが、スペインでも町の中心地と駅やバスターミナルは少し離れていることが多い。

トレド旧市街が見えてきた。
タホ川にアーチ状の古い橋が架かっている。

橋を渡り、門をくぐってトレド旧市街に入っていく。

旧市街に入って、急な坂を登り切るとソコドベール広場に到着する。
ここで電車にガイドブック「地球の歩き方」を忘れてきてしまったことに気付く。
金、パスポート、カメラの次くらいに重要なものを失くしてしまった。
たいていのものは現地調達できるが、日本語ガイドブックだけは無理だ。

地図も観光施設の情報も失くしてしまったので、
とりあえず人の流れに任せて歩いていくことにする。
人の流れは目の前に見える塔の方に向かっているようだ。

辿り着いたところはトレドのカテドラル(大聖堂)だった。
ここはスペイン3大カテドラルの1つとされている。
内部は細かな彫刻やエル・グレコの名画「聖衣剥奪」が飾られている。

カテドラルを出て表側に回りこむ。観光客用の出入口は裏口だったようだ。
建築様式はゴシック様式。聳え立つ大きな塔はトレドのシンボル。

周辺はちょっとした広場になっている。
なぜか人が大勢集まってきて、飲食物が振舞われている。
タダなのでとりあえず頂いておいた。さして美味くはなかったが昼食代わりにはなった。

地図を見て観光案内所を探す。
トレドは3方をタホ川に囲まれた天然の要害の地で、
16世紀まで、スペインの政治・経済の中心地として大いに発展した。
町の規模は西の端から東の端まで2km程度で非常に小さい。

観光の前に宿を確保しておく。
トレドは1日あれば見て回れるほど小さい町で、
マドリードからの日帰り旅行者が多いが、この地で1泊はしておきたい。
町の中心部にある安宿の割には、部屋は非常にきれいだった。

屋上に出ると、トレドのもう一つのシンボル・アルカサル(城)がよく見える。
まずはそっちに行ってみることにする。

トレドで一番大きな建築物・アルカサル。
内部は軍事博物館になっているらしいが、改装工事中で中には入れなかった。
スペイン内戦の際にはフランコ将軍がこの城に立てこもっている。
今でこそスペインは先進国になっているが、1975年まではフランコ独裁政権が継続し
スペインはヨーロッパの孤児と呼ばれていた。

トレドの町は坂が多く、あちこちに階段がある。

どの路地も道幅は狭く、迷路のように入り組んでいる。
トレドは中世以降、完全に発展から取り残され、それ故に中世の町並みがほぼそのまま残っている。
「スペインに一日滞在するなら、トレドに行け」という言葉がある。
ヨーロッパ旅行を考えたとき、まず最初に行きたい町はトレドだった。

この美しい町並みにもあちこちに落書きの跡がある。
マドリードといいトレドといい落書きが多い。

少し高台に上ると、遠くの景色がよく見える。

サン・フアン・デ・ロス・レイエス教会。イサベル様式の建築。
内部はカテドラルと大きな違いはない。

コンビニ?
スペインでコンビニらしきものを見たのはこれが最初で最後だった。
閉まっていたので残念ながら内部は確認できず。

サンタ・クルス美術館。主にエル・グレコやゴヤの絵画が展示されている。

ソトコレンと呼ばれるミニ観光バスが走っている。
これに乗ると、トレド市街をぐるりと周ってくれるらしい。

少し足を伸ばしてタベーラ病院に行ってみることにする。
旧市街を取り囲む古い城壁が続いている。

トレド旧市街の入口であるビサグラ新門。
駅からバスでトレドに向かった場合は、この門から旧市街に入っていく。

門の中には、古い城壁とはどう考えても不釣合いな
近代的なオブジェが置かれている。

旧市街の城壁外にあるタベーラ病院。
1603年に建設されたもので、現在は絵画などが収蔵されている。

建物内の中庭の様子。
説明員が英語で案内してくれるのだが9割方は理解できなかった。

トレドの夕景と夜景を見るため、トレドの南側にあるビューポイントに向かう。
タホ川の南側には橋が架かっていないため、北側から大回りして行く必要がある。
歩くと距離があるのでバスを利用することにする。

トレドのビューポイントに到着。
ここからはトレド旧市街が一望のもとに見渡すことができる。

川のほとりに下りてみる。近くから見ると結構水の流れは速い。
対岸では釣りをしている人が見える。

タホ川はかなり深い渓谷になっていて、両側は崖に囲まれている。
トレドが天然の要害と言われているのもうなずける。

暇なので、背後の高台にあるホテルに行ってみる。
コーヒーの一杯でもと思ったが、町を見下ろす展望席は全て埋まっていた。
値段も書かれてなかったのでパス。

20時頃になり、ようやく西の空に夕日が沈む。

辺りが暗くなってきて、トレドの町に明かりが灯り始めた。

道端でトレドの夜景を眺めていると、ちょうど真後ろに観光バスがストップ。
夜景を見るためバスから降りてきたのはなんと団体日本人観光客。千載一遇のチャンス。
「どなたか地球の歩き方を持っている方がいたら売ってくれませんか?」と尋ねる。
周りの皆さんも色々と心配してくれて、結局ツアーコンダクターの方が持っているガイドブックを譲ってくれた。
感謝。これでこれからもスムーズな旅ができる。

空はすっかり暗くなった。夜景はきれいだが思ったより光の量は少ない。
1時間に1本の路線バスが20~30分前に行ってしまったので、歩いて戻ることにする。

夜のトレド市街の風景。案外人通りは少ない。

時間が遅くなってしまったがレストランで食事。
スペインは食事代が非常に高く、まともなものを食べると1食20~30ユーロはする。
安いのはワインぐらいだった。

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