スペイン
日付 2008年9月27日(土) - 2008年10月5日(日)
メンバー 単独
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7日目
今日は確実にアルハンブラ宮殿に入場するため、朝7時過ぎにホテルを出発する。
人通りが全くなくてさすがに不気味だ。バスで向かえばよかった。

7時半にチケット売り場に到着。
20名ほどの人がすでに並んでいる。

8時になりチケットを購入する。最終的に列は80人程度になっていた。
世界的に有名な観光地なので、混雑期は1時間以上待つことになるらしい。
開場と同時に入場。両側の植物はきれいに刈り込まれている。

入手したアルハンブラ宮殿のチケット。
見所のナスル朝宮殿は入場制限がされていて、このチケットの指定時間は8:30から。
8:30~9:00の間に入場しないと無効になってしまう。今日の朝一の入場のようだ。
チケット料は12ユーロと非常に高い。

建物がたくさん並んでいるが土産物屋だろうか。
敷地内にはホテルなどの宿泊施設もある。

8:30になったのでナスル朝宮殿に入場する。
ここはイスラム建築を代表する宮殿だ。

壁面に広がるアラベスク模様。
イスラムの世界では偶像崇拝が禁止されているので、
このような装飾技法が確立された。

アラヤネスの中庭。ナスル朝宮殿の中でも最も有名な場所。
建物が水に映り、非常に美しい。
この技法は後の世に建てられたタージ・マハルにも影響を与えた。

床は白い大理石が敷き詰められている。

壁に刻まれた細かな装飾。
アラビア文字が刻まれているようにも見える。

次に現れるのはライオンの中庭。
白くて美しい柱が立ち並んでいる。

広場の中央にはライオンの噴水があるのだが、残念ながら修復作業中だった。

2姉妹の間。天井の鍾乳石飾りは緻密で非常に美しい。

リンダラハのバルコニー。後の世の増改築がなければ、
ここからアルバイシン地区が一望できたらしい。

現在ここから見えるのは比較的平凡な中庭。

ぐるりと庭を回りこむと視界が開けて、美しいアルバイシンの町並みが見渡せる。

1時間半ほどナスル朝宮殿を見学し、建物の外に出る。
宮殿を出たところにあるパルタル庭園でも水が湛えられ、貴婦人の塔が水面に姿を映している。
個人的にはキリスト教建築の過度な装飾より、洗練されたイスラム教建築の方が好みだ。

庭の手入れをしている人がいる。掃除をしている人も多く、
スペイン屈指の観光地だけあって、よく手入れがされている。
後ろに見える塔は後世建てられたキリスト教会の鐘楼。

ブドウ酒の門をくぐって、アルカサバに向かう。
この門には「唯ひとり、アラーのみが勝利者である」と刻まれていると
ガイドブックに書かれていたが、どこに刻まれているのか分からなかった。

アルカサバはナスル朝宮殿とは雰囲気ががらりと変わる。
ナスル朝宮殿は王の住まい、こちらは軍事要塞だ。

砦の上に登ると、そこは絶好の展望台になっている。

白壁の家々が続くアルバイシン地区。
昨日アルハンブラ宮殿を眺めていた展望台も見えている。

城壁と砦で固められた非常に堅固な要塞。
しかし、ナスル朝最後の君主・ムハンマド12世はスペイン王国の勢力に抗しきれず亡命。
1492年、グラナダ陥落をもって700年以上続いたイベリア半島の
イスラム支配が終焉し、ここにレコンキスタが完了する。
そして大航海時代が幕を開け、スペインは大いに繁栄することになる。

続いて、カルロス5世宮殿に行く。
この建物はスペイン王国時代に建てられたもので、周囲の建物からは少し浮いている。
ナスル朝宮殿などイスラム王朝時代の建物が破壊されなかったのは救いだ。

外観は四角、内側は円という不思議な構造をしている。
この中庭には大きなドームが取り付けられる予定になっていたのだが、
結局完成することはなかった。

建物内部は1階は博物館、2階は美術館になっている。

カルロス5世宮殿を後にし、宮殿中心部から少し離れたヘネラリフェに向かう。

10分程でヘネラリフェに到着。
入口付近に広がる庭は何だか巨大迷路みたいだ。

この宮殿は夏の離宮であり、水が効果的に使用されている。

宮殿入口に到着。すでに時刻は11時で大混雑。
早朝8時の静けさとは大きな違いだ。

アセキアの中庭。この離宮はどこへ行っても水の流れる音が聞こえる。
が、人の数が多すぎて水の音もかき消されてしまっている。

噴水の周りには色彩鮮やかな花々が植えられている。

こちらの建物もナスル朝宮殿に負けず、細かい装飾が施されている。

ヘネラリフェからは真正面にアルハンブラ宮殿が望める。

階段の手摺にまで水が流れている。
ヘネラリフェは「水の宮殿」とも呼ばれている。

アルハンブラ宮殿を後にする。
周囲に広がる森ではスプリンクラーが回り、虹ができている。
今日は暑いので、水飛沫が涼しくて気持がいい。

グラナダ市街地に戻ってくる。
今日のグラナダ出発の予定時刻は18時なので、それまで周囲をぶらつく。

街中にあるトイレ。有料で、コインを入れると扉が開く。

2両編成のバスが走っている。
日本では見たことがないが、タイやインドではよく見かけたので
世界的にはこのような形のバスは多いのかもしれない。

レアレホと呼ばれる地区に行ってみる。
坂が多く、景観はアルバイシン地区とよく似ている。
ここはイスラム王朝時代、ユダヤ人居住地区だった。

レアレホからはアルハンブラ宮殿の裏側が見える。
深い谷と森に阻まれ、ここから直接近づくことはできない。

坂の上に広がる町からは眼下に広がるグラナダ市街を見渡せる。

突然目の前に現れた巨大ホテル。イスラム風に造られているらしいが、
白くて美しい町並みに、この色の巨大な建物は完全に景観を壊している。

再びアルバイシン地区に行き、丘の上にあるサクロモンテと呼ばれる
洞窟住居に行ってみたが、この時間はシエスタの時間でお休み中。
丘の上に立つと展望がいいらしいが、扉が閉まりそこにも行けそうにない。

目の前に広がる谷は、遠くシエラネバダ山脈のほうに続いている。

太陽が傾いてきたので、白壁の町に別れを告げてグラナダを発つことにする。

帰りにグラナダのデパートに寄って見る。
スペインでは小さな店が多く、大型店舗は余り見かけなかった。

今回の旅行もそろそろ終りなので土産物でも買おうと思い入ってみたが、
置いてあるのは日用品ばかり。何も買わずに店を出る。

18時グラナダ発の列車に乗ってマドリードに向かう。
5時間半の長旅なので、簡単な食堂車が設けられている。

23時半にマドリード到着。
明日の飛行機は6時発。スペインの6時は日本の4時みたいなもの。
出発の2時間前には空港に行きたいし、空港までの移動時間も考えると
とてもホテルで宿泊する気にはなれない。
適当に時間を過ごして直接空港に向かうことにする。

マヨール広場付近にあったバル。
ガイドブックによるとマッシュルームの有名な店らしい。
有名店だけあって確かにおいしかった。

深夜1時半に空港に到着。寝ている人もちらほら。
あまり寝るつもりはなかったのだが、いつのまにやら眠ってしまった。

8日目
早朝、周りのざわめきで目が覚める。
手続きを済ませて搭乗、夜明けは飛行機の中で迎える。
縦に伸びる一筋の雲は飛行機雲。

経由地アムステルダムの空港に到着。
ここもユーロ圏のため、マドリードでなくここで出国手続きを行う。
つまり、それまでの間は自由に外に出ることができる。
時間があるので乗り継ぎゲートの方に向かわず、外に出てみることにする。

アムステルダムの市街地に行きたかったが行き方が分からない。
空港の本屋でロンリープラネット(旅行ガイドのバイブル)を見てみたがさっぱり分からなかった。
適当に電車に乗って戻ってこれなくなっても困るので、空港付近で大人しくしておく。

寒いと思ったら外気温は9度。
ずいぶん北に来たのだと実感する。

アムステルダムの空港には何故か日本語の製品がたくさん並んでいる。

早朝のスペインの空港では店がすべて閉まっていたので、
アムステルダムで職場用の土産を買う。ユーロがそのまま使えるので便利だ。
いろいろハプニングもあったが、今回も無事旅を終え、帰国の途につく。

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