日付 | 2009年8月15日(土) - 2009年8月22日(土) | ||||||||||||||
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山域 | 北海道の山 | ||||||||||||||
メンバー | 単独 | ||||||||||||||
山行形態 | 7泊8日テント泊 | ||||||||||||||
アクセス | 電車、飛行機、バス | ||||||||||||||
ルート (Map) |
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2日目
4時半起床。外に出てみると、天気はさほど良くないが昨日よりはましな天気だ。
太陽が出て、日が当たりだす。
昨日は見えなかった周囲の景色がよく見える。
5:25 裏旭キャンプ指定地出発。
視界はあまりよくない。
ウスユキトウヒレン。
8月も半ばで多くの花の季節は終わりかけているが、
それでもまだかろうじて花は咲いている。
エゾイワツメクサ。
透き通るような純白の小さい花だ。
クモマユキノシタ。
あちらこちらに咲いている。
6:14 間宮岳山頂到着。標高2185m。
御鉢平の縁の一角だが、何も見えない。
ここからは御鉢平の縁に沿って起伏の少ない道を歩いていく。
白雲岳に行くには左回りが早いのだが、
右回りに3/4周ほど、ぐるっと御鉢平を回ることにする。
周囲にはイワギキョウの群落が見られる。
イワギキョウがこれだけたくさん咲いているところを初めて見た。
少し雲が切れて御鉢平が視界に入ってくる。
ここは北大雪の巨大な噴火口だ。
イワブクロ。
鳥海山でも見た花だが、北の方の山ではよく咲いている。
逆にアルプスなどではまったく見かけない花だ。
エゾウサギギク。
葉がウサギの耳に似ているから名づけられたらしい。
かなり大柄で派手な花だ。
チシマクモマグサ。
この間、北アでクモマグサを見たばかりだが、ここではたくさん咲いている。
この花はよくよく見ると面白い形をしている。
エゾノマルバシモツケ。
チシマツガザクラ。
遠くから見ると地味でまったく目立たない花だが、
近づいてみるとなかなか美しい。
旭岳周辺で大群落をつくっている。
分岐点からザックをデポして北鎮岳を往復することにする。
この山は北海道第2の高峰だ。
7:23 北鎮岳山頂到着。標高2244m。
頭上には青空が広がっているが視界は無い。
縦走路に戻って歩き始める。
雲は多いが青空が広がってきて気分がいい。
視界がだいぶ開けて、北大雪の全容が望める。
凌雲岳、黒岳など、御鉢平を囲む山々が見渡せる。
北海道らしい雄大な景色が広がる。
全体的に登山者は少ないが、欧米人がよく目立つ。
アルプスは中国人や韓国人が多いが、北海道に欧米人が来ているとは知らなかった。
彼らにとっては見慣れたアルペン風景より、火山が織り成す雄大な景色のほうが珍しいのだろう。
振り返ると北鎮岳が大きい。
御鉢平展望台に到着。大きな噴火口が見渡せる。
白い平地とそこに流れる川。独特の風景だ。
ミヤマリンドウ。
青くてきれいな花だ。
ヨツバシオガマ。
葉はもう紅葉が始まっている。
登山道の右手には大きな溝が見える。
御鉢平から流れ出した川が作ったものだ。
この辺りは構造土が見られる。
平地の上にこぶが定期的に並ぶ独特の地形だ。
凍土の地にはこのようなものができるらしい。
チングルマの大群落。
もうすでに花は咲いていないが一面が茶色い実で埋め尽くされている。
ミヤマアキノキリンソウ。
この花はどこででも見られる。
8:55 黒岳石室到着。
夏は管理人が入る、大雪山系の数少ない営業小屋だ。
なんとビールまで売っているが、ここからまだ歩くので自粛。
ここでザックをデポして近くにある黒岳に登ることにする。
斜面を少し登ったところから振り返ると、
黒岳石室とその周りに広がる雄大な景色が見渡せる。
足元にエゾツツジの花が咲いている。
もう花はほとんど終わりかけで、一輪だけ咲いていた。
タカネヨモギ。
地味だがこれも高山植物だ。
9:13 黒岳山頂到着。標高1984m。
層雲峡に一番近いピークで、大雪山系でも人の訪れの多い山頂だ。
山頂付近は雲に覆われて視界が無い。
ここから黒岳石室のほうへ少し下れば視界が得られるので、
ここで引き返していく観光客は不幸だ。
黒岳を下山した後、時間があるのでついでに桂月山に行くことにする。
往復30分ほどでいける山だ。
桂月山山頂。岩がむき出しになっている山頂で、天気がよければ大展望が得られるだろう。
不思議な形をした大きなキノコが生えている。
桂月山を下山し、デポしていたザックを背負って再び歩き出す。
周囲にはセリ科の白い花が広がっている。
途中で御鉢平から流れ出している川が見えてきた。
沢を渡渉する。大きな火口から水を集めているので水量は結構多い。
比較的人通りが多そうなところなのに橋はかかっていないので、増水時は大変そうだ。
斜面にはエゾコザクラが咲いている。
ハクサンコザクラとよく似ているが、
北海道に咲いているのでおそらくエゾコザクラのほうだろう。
エゾノツガザクラ。アオノツガザクラとよく似ている。
エゾノツガザクラとアオノツガザクラが混ざって大群落を作っている。
この2つの花は中間種が多いと聞くが、
これだけ混ざって咲けば交配も進むのだろう。
川沿いに巨大な雪渓が広がっている。
川の近くにはチングルマが咲いている。
チングルマのほとんどはもう花が終わっているが、
この辺りは雪解けが遅いので、花がまだ残っている。
ジムカデ。葉がムカデの足に似ているので名づけられた。
タカネトウウチソウ。
登山道の脇に慰霊碑がある。この界隈は遭難事故が多い。
左手に白雲岳が見えてきた。
大雪山中心部から外れた位置にあるが、大きくてよく目立つ。
11:27 北海岳山頂到着。標高2149m。
これで御鉢平を3/4周したことになる。
ここから火口縁を離れ、白雲岳方面に向かって南下する。
旭岳は結局ずっと雲の中だった。
砂礫の中にはコマクサが点々と咲いている。
北海道のコマクサは幾分赤みが強い。
ムカゴトラノオ。地味な花だ。
エゾヒメクワガタ。
この辺りはカラスがうろうろしている。
こんな所にまでカラスが出没する。
空を見上げると雲を引き裂くような青空が見えている。
この青空がもっと広がればよいのだが…
キバナシャクナゲ。
ハクサンシャクナゲは何度も見たが、キバナシャクナゲは初めてだ。
この辺りで大群落をつくるはずなのだが、もうこの花も終わりかけだ。
美しい緑色のコケが広がっている。
ウメバチソウ。ポツリポツリと咲いている。
登山道の十字路でザックをデポし、白雲岳に向かう。
しばらく登ると眼下に巨大な平地が見えてくる。白雲岳の噴火口だ。
北海岳方面から望む姿とはまったく違う光景だ。
白雲岳の火口縁は狭い岩稜帯になっている。
登山道はその下の安全なところに付けられている。
12:41 白雲岳山頂到着。標高2229m。
この山は分岐点から往復する登山道しかないが、
山頂には何人かの人が休んでいる。
みな面倒くさがらずに足を運んでいるようだ。
山頂からは南方に明日向かう化雲岳などの山々が見渡せる。
残念ながらトムラウシは雲の中だ。
分岐点に戻ってくる。ここは登山道の十字路で、赤岳方面に向かっていく人も結構いる。
こちらは南下して白雲岳避難小屋を目指す。
分岐点からしばらく行くと、白雲岳避難小屋が見えてくる。
イブキトラノオが風に揺れている。
トリカブト。
大雪山に咲いているので、固有種のダイセツトリカブトだろう。
小屋付近には池塘が広がる。
湿原付近にはシナノキンバイが群落をつくっている。
トカチフウロ。淡い紫色で、非常にきれいな花だ。
13:47 白雲岳避難小屋到着。標高1990m。
避難小屋だが、夏には管理人が入っている。
小屋のそばにはトウヤクリンドウが咲いている。
比較的有名な花だが、お目にかかるのは初めてだ。
ミヤマアズマギク。もう花はほとんど終わっている。
小屋前でテントを張ろうとしていると、小屋の人に今日は小屋に泊まって下さいと言われる。
なんでもここ最近、人を気にしない親子熊がたびたび出没しているようだ。
事情が事情ということで、料金が1000円のところを300円にしてもらう。
小屋の中は比較的きれいだが、テント泊の予定の人が小屋に入ったため大混雑。
この辺りの山は人気が高く、トムラウシ遭難事故の影響全く無しという感じである。
小屋近くの水場で水を汲む。
冷たくて非常にいい水なのだが、北海道では生水は飲めない。
エキノコックスの問題があるため、どこの水場も要煮沸だ。
しばらくすると、雨が降ってくる。
外に出てみると先ほどまで咲いていたトウヤクリンドウが花を閉じている。
リンドウ属は天気が悪いと花を閉じるものが多い。
花に水が溜まるのが嫌なのだろうか…?
雨がやんだので夕暮れ時に外に出てみる。
トムラウシ方面はまだ雲の中だが、明日の天気に期待だ。