日付 | 2010年7月4日(日) - 2010年7月11日(日) |
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メンバー | 単独 |
5日目
6時ごろ目が覚めて外に出る。ちょうど日が出てきたところで、
テントサイトの裏にある山が輝いている。
テントを撤収して出発する。テントの表面は凍りついていて、撤収作業はかなり手が冷たかった。
この辺りの標高はおよそ2000mだ。
ホワイト・グローブ・フラワー。ウェスタン・アネモネと混ざってよく咲いている。
今日も最初は樹林帯の中を登っていく。今日は峠を越えてヒーリー・パス・トレイルを歩く予定だ。
この辺りの林床は苔ではなく、お花畑が広がっている。
高度を上げていくと、だんだんと展望が良くなってくる。
マウンテン・マーシュ・マリーゴールド。水の流れの中に咲いている。
花弁の裏側は薄い青色で非常に美しい。
振り返ると、ボール・レンジの山々が一望できる。
真中の白い山はマウント・ボール、手前の2つのピークはファラオ・ピークスだ。
峠(ヒーリー・パス)に差し掛かる。ここには若干雪が残っている。
足元にはグレイシャー・リリーの群落が広がっている。昨日からずっと、とにかくこの花が多い。
峠を越えると、その先にも素晴らしい展望が広がる。どこを見渡しても山また山だ。
きたない鳥の鳴き声が聞こえるので上を見上げると、木の枝に鳥が止まっている。
緩やかな斜面に広がるお花畑の中を歩いていく。空はきれいに晴れ渡っていて快適だ。
分岐点に到着。カナダのトレイルでは分岐点に必ず標識が立っている。
英語とフランス語が併記されている。
ここからは延々と樹林帯の中の道を下っていく。
素晴らしい展望とお花畑が広がるヒーリー・クリーク・パスも大半は樹林帯の中だ。
これまでカナダのトレイルでは1日に2~3組程度しか人に出会わなかったが、
このトレイルではとにかく人とよくすれ違う。ヒーリー・パスまで往復の1日ハイキングが人気のようだ。
日本人ともよくすれ違うが、最初に何語で挨拶を交わすか少し迷ってしまう。
登山口に到着。大きな駐車場には多くの車が停まっている。
朝は誰もいなかったヒーリー・パスも昼には賑わうのかもしれない。
駐車場の側ではビッグホーン・シープの群がうろうろしている。
炎天下の中、車道を歩いていくと、今度はビッグホーン・シープの雄と出くわす。
山の中では大型動物などとは全く出会わなかったのに、エルクといいビッグホーン・シープといい
人工的な車道近くでよく見かけるのは、どういうわけだろう?
車道歩きはおよそ9km。5kmほど歩いたところで通りかかった車に拾ってもらう。
アメリカから来たそうで、息子がIwakuniに住んでいると言っていたが、
Iwakuniがどこにあるのかすぐには分からず反応できなかった。
帰って調べてみたら山口県だった。
車道の終点で降ろしてもらう。彼はここからレイク・ルイーズ(バンフとは反対方向)に行くそうだ。
ここからは車道歩きでなくトレイルが付けられている。バンフまであと6.8kmだ。
このトレイルも樹林帯に囲まれ、馬の糞が多く、あまり面白くない道だ。
平坦な道、荷物もそれほど重くないはずなのに、なぜか疲労が大きい。
ようやく展望が開ける。目の前にマウント・カスケードが見えてくる。
が、足が前に進まない。休み休み歩いていく。
遠くの方に、3日前に訪れた奇峰マウント・ルイの姿が見える。
やっとの思いでバンフに到着。体は下痢気味で疲れ果てた。
インフォメーション・センターでパスポートを受け取ったあと、
明日の最終日は少し楽をしようと思い、1日ツアーに申し込む。
その後も体調は悪化し続け、悪寒がする。飲んだ水が悪かったのだろうか?
キャンプ場に入ってすぐに寝ることにする。